2018年5月11日(金)二郎をめぐる旅はとりあえず歌舞伎町から始まり、あっさり食べて、異界に触れる

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 さて、ラマッキーとハッシーと3人でいろいろ二郎をまわっていこうということで、最初は手近なところってことで歌舞伎町へ向かう。金曜の午後。

 ただ歌舞伎町店は、前はあの風林会館から曲がったらこれるクルマも通るそこそこの道沿い(花道通りとか言うらしい)にあったんだけど、最近になって探したらそこからなくなっていたんで、えええええっ、歌舞伎町の二郎がなくなったんかーい、とすごいショックを受けて、3秒くらい目をつぶってたことがありましたが、まあ、3秒だけですけど、そのときは見つからず、帰ってからインターネットで調べて、新大久保寄りのほうへ一本寄ったところに移ってたってことがわかって安心して5秒くらい目をつぶりましたな。ふむふむ。まえはわかりやすいところだったのに、今回の場所は、わかってないと見つけにくいディープなほうへ入ったわけですわ。うん。見つからないためではないかとおもった。

 

 まえ、ラーメン二郎本店に関係のある子から聞いたことがあったんだけど、とはいえ伝聞なので真偽定かならずですけど、歌舞伎町の店は、異様に長い行列ができると(本店とかみたいに30人とか並ぶと)土地柄、ちょっと怖いので、(怖い人につながってる店の邪魔になるとまずいので)あまり行列ができないようにしているらしい、というような話で、真偽定かならず信玄魚ならずだけど、まあ、そういう工夫をしているということを、その筋の子から聞いたことがあったので、何かそうかなあ、とはおもっているますで、なんかそういう感じです。

 そんなには混まない。

 新しいお店は、ゴジラから裏のほうへ入っていって、そのまたもうひとつ裏で、店前に行っても人が並んでないので、やっぱすいてるのかなあとおもって入ると、中に立って待っていた。立ち待ち。8人くらい。店内に立って待てる空間が広めにとってある。無理に詰め込めば30人くらい立てそうだけど無理に詰め込んじゃいけません。10人少々ってところかな。

 

 平日の午後3時にしては混んでるなあとおもったけど、でも、並んだらすぐに数席あいて、列がぐっと縮まりました。並んでた時間は10分少々、でもまあ、午後3時にしては混んでる。

 

 3人並んで座らせてくれた。店の人がそうしてくれた。んだったとおもう。

 そのへんは親切。

 3人で行って、べつだん並んで食べないと死ぬというような間柄ではないけど、並んで座ると少し嬉しいかなというくらいの心持ちですが、ここは並んで座れました。

 

「ラーメン」が700円。

(小)ではなくて、ラーメン。

 そういう小笑になっている。呼称です。小笑は笑遊の弟子。

 おれたちが食ってるあとに、少し先のカウンターに女子高生が1人で座ったので、すげえ驚いたら、すぐ隣に彼氏が座った。まあそういうことだよなとおもって、つまり女子高生が1人では来ないだろうせめてカップルだよねってことえすけど、それであとで女子高生いたねえ、と言うと、ハッシーは、いや違いますよ、あれは女子高生ふうの格好をしたOLだったんじゃないですか、と言うんだけど、うーん、そうかなあ、JKだったようにおもうけどな。なっとくいかない。夜だったら女子高生スタイルの28歳くらいのお姉さんがいても不思議ではない街だけど、あきらかに詐欺ですが、昼の3時だからねえ。とにかく油断ならねえや。

 とにかく若い女性客もふつうにやってきていてる店で、だからあまり怖くない店ですね。全体にゆるーい感じで、ぴりぴりしてない。まあ、ラーメン店はふつうそういうもんだけどね。

 

 ラーメンそのもののやさしめ。

 ヤサイもちょこっとのってる感じでボリュームたっぷりではなくて、ブタもそんなに主張はしてない。わりと、自己主張の少ない、クラスの端っこのほうにいたような感じのブタで、いいんですよそれで、はい。あまり人を苦しめようという意図を感じられないラーメンです。まあ、ほかの店が苦しめようという意図を抱いてるかどうかは定かではありませんが。

 食べてるときは、やっぱ、二郎だ、これは二郎だね、うん、二郎だよ、二郎だ二郎だ、おお、二郎だ、と食べるし、めちゃ多いわけじゃないけどでもたっぷりの分量であはあるから、そこそこ満足して、おう、うまかったよ、またくるぜ、と、まあそんなこといいませんけど、とりあえず満足して、食った食ったと歩き出して2分ほどしたら、うーんでもなんか二郎を食べたはずなのにどーんとこないなー、という感じになってしまいます。二郎であることは間違いないけど、そのあとどーんと来ないぶんちょっと物足りないな、しかし女子高生が来るとはなー、いえ、あれは女子高生ではありません、なんてことを漠然とおもうのが、それが歌舞伎町二郎。

 

 三人で外に出て、何となく店のすぐ先あたりで立ってると(写真とったりしていた)、すぐ近くを何だか読みながらふらふらと歩いてくる人がいる。

 酔ってるわけではない。でも不思議な歩き方で、よく見ると、何とも不思議な風体で、ポンチョなのかパジャマなのかわからない不思議なものを羽織っていて、半ズボンくらいの丈なので膝からずっと足が見えてるけど、その足部分にみっちりと刺青が入っていて、見事な刺青です、だからホームレスとかそういうのではなく、どう見ても堅気ではないし、歩き方は変だし、さすが歌舞伎町の午後3時はちがいます、晴れて明るいけどどっかしらに冷やっとした空気が流れていて、こういう街では、そういうことに気付くかどうかで処世がずいぶん違ってきますな。

 何となく遠巻きにその異体な男を眺めていて、何も起こってないし、何か起こるわけではない。人もあまり気にしていない。

 でも、こういうあきらかな「異世界へとつながってる異人」が歩いてるのが歌舞伎町ですな。気付く人だけ気付くところがおもしろいところで、こういう街の空気を乱すと、魔界が怒りだしてしまうので、そういう手の人たちがのさばってるんでしょうなあ。うんうん。歌舞伎町店、またいきたいねー。